留学で切り開く明日

「留学」とは留まって学ぶと書きます。つまり勉強のためにその地を訪れ、そこに留まって学ぶことです。異文化や語学の習得のためには最適な方法と言われています。

語学であればある程度は体系化することができます。その国の言葉を体系化して並べ、順序良く覚えていくことは可能です。もっとも語学はただ知識だけあればいいというわけではなく、その言語で話せるようになるためには口に出して「話す」ということと相手が何を言っているのかを理解するということが大切です。コミュニケーションが成立しなければ「話せる」ということにはならないのです。

そしてその土地、その国の文化もまた、ただ知識として「知っている」というだけでは意味がなく、生活に根ざしたものとして「実感」できるかどうかということがポイントになります。ただ知識だけ膨らんだとしても、実際にそこに暮らす人々の息遣いや精神性などを肌で感じたことがあるかどうかということが大切なのです。その「実感」はただ文献や講義で学ぶだけでは成立しないものです。

留学はそのような「実践」して、「実感」して成り立つことを学ぶためには最適なものです。「学ぶ」ということは「環境」が大切なものですが、自らその環境に飛び込むことで、学ぶための環境を最適にするのです。何かを学ぶうえで「環境」というものは自分のモチベーションを左右するものですが、一度留学するとその環境に滞在し続けるしかありませんから、そのまま学び続けるしかありません。さらには、その土地に「いる」ということで否応なく現地に溶け込む必要も出てきます。現地に溶け込むためにはその国の文化をずっと学び続ける以外、選択肢がありません。

留学には周到な準備と、安くはない費用が必要です。現地で働きながら勉強するという方法もあるのですが、「目的」は明確であり、その目的を達するためにその土地で暮らすのです。留学することで、実際に暮らしてみる事でその土地で大切にされていることや必要なこと、さらにはそこに生きる人々が何を感じてくらしているのか、その国から見た「日本」とはどのような国かなどがわかるのです。

同じ国であっても、土地が違えば人の考えや生活は違うものです。ましてや違う国に行くというのは生半可なことではありません。自分の覚悟を問われるものでもあるのです。自分が覚悟してその国に渡航する際、期間はどうあれその国でずっと過ごすのです。新しい人間関係なども築くことができるでしょう。そのようにして築いた人間関係はその先の人生においてとても大切なものになります。ビジネスとして役に立つかもしれませんし、もしかしたらその国の人と恋愛して、結婚して、家族になるかもしれません。自分の人生の中では限られた短い期間かもしれませんが、その実得るものは期間に比べるととても大きいものなのです。なによりもその国のことを当事者として考えることができるようになるという点が一番大きいものでしょう。そうして二カ国間のことを肌で知っている人材は、その後に両国の架け橋となる存在に成長することとなります。

留学を経て学べることは沢山あります。自分が何を知り、どうなりたいのかということも大切です。