働きながら留学するには

学生の頃は親の庇護を受けているものです。ですから、後顧の憂いなく、学業に邁進することができるでしょう。社会に出ていない身というものは貴重な時間です。保護者に支えられてただ勉学に励むことができるのです。

ただ、学生ではなくても留学はできるものです。人はいつでも学び直すことができるのです。ただ、一度社会に出てしまうと自分で生きていかなければいけない「責任」があります。自分の生活を自分で支えるための責任というものでしょうか。そのようなものを背負いながら学ぶことになります。学生の頃と違って、自分の身の振り方などを気にする必要があります。自分で学ぶための環境を、自分で整える必要があるのです。

ほとんどの国では、生きていくためには「お金」が必要です。そしてそのお金は何もしない状態では得ることができないものです。「稼ぐ」必要があるのです。稼ぐためには「働く」必要があります。留学資金を溜めるために日本で働いて、期間を定めて留学するという方法もありますが、日本で生きるためにもお金は必要です。それを差し引いて十分な留学資金を溜めるのは大変なことなのではないでしょうか。

それではお金を貯めなければ留学できないのかというと、そういうわけではありません。「現地で働く」という手段があります。現地で働いて、現地のお金を稼ぎ、それで生活するという手段があるのです。それが「ワーキングホリデー」です。それは留学にとってはとても有意義なスタイルです。「働く」ということは「責任」が生じることです。そして働く以上は「コミュニケーション」をとらなければいけません。留学の目的が「語学の習得」であるのであれば、責任を果たすためにコミュニケーションをとる必要があるという環境は目的に適ったものです。働くこと自体が勉強になり、そうして稼いだお金で現地で暮らすことができるのです。

社会人になってから学び直したい、留学したいと考える人にとってはうってつけの制度です。働く責任を知っていて、お金を稼ぐ厳しさも知っている人が、現地で汗水たらしながら働いて、同時にお金を稼ぐことができるのですから、こんなに素晴らしいことはありません。「仕事」の中でも、異文化というものはまざまざと感じることができるでしょう。現地ならではの仕事のマナー、時間に対するスタンス、仕事に対するスタンス、自分の母国とは違うそれらに触れることも貴重な経験です。留学が終わったあと、ビジネスでその国と関わる機会がある場合、そのときの経験ほど生きるものはありません。現地ではどう感じるのかということを理解した上でのビジネスの取引は、とても円滑なものになるでしょう。

誰もが自分の可能性を広げるために留学することができます。誰もが学び直すことができます。留学することで自分の視野を広げたり、自分がどう生きていきたいのかということを再確認したりすることができます。留学するため制度も整っています。あとは、実行に移すかどうか、自分の意志次第です。自分の意志が固ければ、さまざまな関門をクリアして実行すればいいのです。障壁は乗り越えるためにあります。試練は、自分の意志を固くするために存在しているのです。